カレーうどん紀行

 うまいラーメンを紹介するブログは数多く、おいしいうどんを食べさせる店も星のごとく紹介されている。また、独特のカレーを食べさせる店も検索すればいくつも出てくる。では、カレーうどんはどうだろうか。カレーうどんは日本で生まれた麺で、独自の発展を遂げて今日に至っている。カレー粉の原産国はマレーシアとか、インドネシアだそうだから、カレーうどんは、日本のうどんという文化と、カレー粉という外国のスパイスがマッチしたいわば国際食といえる。
 私はカレーうどんを心から愛するものである。もともと兵庫県の川西能勢口にあった『うっかり八兵衛』という名前のカレーうどん屋が私の行きつけの店であった。「うっかり八兵衛」とはテレビの水戸黄門に出てくる「八兵衛」という架空のちょっとおどけたキャラクターの役者の名前(この役者の名前は、調べたところ高橋元太郎という名らしい)を付けた店である。水戸黄門は何代か役者は代わっているが、うっかり八兵衛は同じ役者がずっと出ているようだ。なぜこのような名前をカレーうどんを売りにする店に付けたのかよくわからないが、それはともかく、この店はじっくり煮込んだカレーをうどんにからめて食べさせる独特のカレーうどんを売りにしていた。「神戸のブラザーソースを一緒にかけて食べるとおいしい」という壁にはられたある人の宣伝も私の心を熱くした。私は神戸の出身で、ちょっと酸味のきいたブラザーのトンカツソースは小さいころからよく食べ慣れており、私にとってその味は親しみのあるものだったからである。ブラザーソースもテーブルに置かれていることも私にとって良きものであった。
 やがて運ばれてきたカレーうどんを食べたとき、こんなにうまいカレーうどんがあったのか、感動し、それから何度もこの店によく食べに行った。しかし悲しいことに、その川西の店はいつの間にか閉店しまう。カレーうどん屋さんにしては、テーブル席が一つしかなく壁に向かった席で食べなければならないとという不便さと、店の中が空間ばかりが広々としすぎていたせいもあったと思う。しかしながら川西の「うっかり八兵衛」は、もともと池田に本店があり、そこの支店であった。だから池田の「うっかり八兵衛」に行けば、私の好きなあのカレーうどんはいつでも食べられるが、私の中では、川西のカレーうどん店「うっかり八兵衛」が、ブラザーソースとともに私の原点となっていた。
 おいしいカレーうどんが食べたいなあ、と漠然と思っていたそんな折、インターネットのあるブログで「関西でおいしいカレーうどんの店を教えてください」という質問があり、その解答として合計40ほどのカレーうどん店が紹介されていた。その紹介記事を見て、「それらの店を訪ねて、カレーうどんを食べまわりたい」と思いはじめ、実際に食べに行った。今はそれが私のマイブームとなり、少しづつ京阪神のいろんなカレーうどんの店を食べ歩いている。
 カレーうどんは、店によって大変辛いので、1週間に1、2度しか食べに行けないのが残念であるが、毎週いろんな店を訪ねてカレーうどんを食べ歩くのは大変楽しいことである。憲法第九条を世界に、というこのホームページの命題とはほとんど無関係であることは言うまでもないが、私の中では、紹介しなければならない、と心ひそかな使命感を抱いているという点において共通点がある。
 ともかく私が心から愛するカレーうどんを食べさせてくれる各地の店を食べ歩き、順に紹介していきたい。
 (表の見方 最初の数字は行った日。例えば20101219は2010年12月19日に行ったということ。それぞれの店の評価は、値段、味、店の雰囲気という三つの基準から、独善的につけた。

     ー二度と行きたくない。
    ☆☆ーもう少し改善したほうがいいのでないか。
   ☆☆☆ー標準的な味 
  ☆☆☆☆ーなかなかいい味出している。雰囲気や値段もよい。
 ☆☆☆☆☆ー値段、味、店の雰囲気とも最高。また食べに来たい

 4)20101226 池田 うっかり八兵衛
 「うっかり八兵衛」は、私のなじみの店である。初めてこの店のカレーうどんを食べたとき、こんなにおいしいカレーうどんがあるのか、と思った。また店内に神戸長田区でブラザーソースとの感動的な出会いを記した店主らしい人の手記があり、長田区出身の私はさらに感動し、以来、リピーターとなっている。ここのカレーうどんはうどんを食べた後、ご飯を放り込んでカレーライスとしても食べることができる。これがまたうまい。さらにいえば、カレーうどん付きの日替わり定食にアイスコ―ヒ―までついて、780円。店としては営業を続けるぎりぎりの価格にちがいない。                 注文を受ける女の子は、ご飯をお代わりしたのに、追加の御飯代を忘れたりしている。今のところ、私にいいほうに間違                 えるから、店としてはよくないかだろうが、私個人的にはたいへん好ましい。値段、カレーうどんのうまさ、店の雰囲気、                  3つの視点からすべて満点をあげたい。「うっかり八兵衛」がんばれ!!
                                                                                ☆☆☆☆☆
2、20101223 豊中 一久(いちひさ) 
 昼前に家を出て、バイクで豊中まで行く。店を探して、ようやく12時40分ぐらいに店に到着。人気のある店らしく、私の前には二人ほど中に入れず、外で待っていた。15分ぐらい待って、ようやく中に入った。カレーうどんとおにぎり3個を注文した。その間、店の人が「どうぞ」と新聞をもってきてくれて、待っている間の時間を過ごせるように配慮してしてくれている。その心遣いがちょっと嬉しかった。五分ほどしてカレーうどんが運ばれてくる。味は濃厚で、大変おいしかった。値段も手ごろな800円(たぶん)程でした。ほぼ満足して店を出た。                                                                                       ☆☆☆
 3、20101223 北新地 香川
カレーうどん専門店「香川」は梅田の北新地にある。インターネットで得た情報を頼りに、しばらく店を探してさまよい、さまざまな店が入っているビルのなかにようやく「香川」を見つけた。新地でお酒を飲んだ人がちょっとおなかがすいたな、という時に入るうどん屋さんのようだ。カレーうどんは1050円だった。店内では、3人ほどの店員が寡黙に働いていた。私以外に、5人連れと2人連れの二組の客があった。5人連れは、主人らしい人と和服の女性、若い男たちであった。二人連れは、男ふたりである。ビールも注文したら、これが700円。こんな高いビールは初めて飲む。これが新地価格というものなのだろうか。やがて出てきたカレーうどんはよく煮込まれていて、大変おいしかった。                                              それにしても高い。わたしのような庶民にはちょっと手の届かないと思われる店である。         ☆☆☆
 1)20101219 この店は梅田にある。私の独善による評価がひとつであった。理由はあまりおいしくなかったからである。カレーうどんの好みは人それぞれである。私の評価がひとつであっても、人によっては、好みの味であることもあろう。良い評価はともかくとして、私の独善による悪い評価は、その店の評判にもかかわることでもあるので、削除することにする。
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